底地と借地権の同時売却
底地と借地の同時売却を縮めて「底借同時売却」とよびます。
借地権と底地の同時の売却であれば所有権と同じことになるので、思った以上の金額たとえば所有権と同じ金額で売れるのではと思われるかもしれませんが、この同時売却には金額以外の多くの条件や調整がはいるため、まとめ役の不動産会社および担当者には技量が求められます。
皆さん早速、金額を皮算用し始めます。例えばここに広さ50坪、所有権の市場価格で坪100万、金額にして5000万円の土地、借地権割合６０％の底地借地があるとします。そうすると計算上は借地権は3000万円 底地は2000万なので、同時売却であれば併せて5000万で売却できるでしょうと。
ただし、実際は簡単には進みません。実際の取引では登場人物が多く、地主さん、借地人さん、購入者の様々な希望・要望・条件について調整が必要になります。
例えば、まずは「金額」。お互いが合意した金額以上で売れた場合はどう分配するか、またその逆の場合はどうするか。
「タイミング」、借地人さんの退去時期はどうなるのか、購入者さんの希望時期や地主さんの希望とうまく調整できるか。
「書類」、借地人および地主が相続登記がすんでおらず先代の名義のままだったというケースは多くあります。その際、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書は期日まで揃うのかといったこと。
また多くの場合、所有権での市場価格（先程の5000万円）があたまに残って固執されてしまい、地主さんと借地人さんの希望の金額では買い手がなかなか見つからず、先に進まないといったケースなどがあります。
同時売却は実施されれば、底地・借地権の売却金額が伸びるため安易に望みますが、多くの登場人物と多くの条件調整がひつような同時売却であることを知っていただき、慎重に進める必要があります。
