底地借地のおはなし

底地借地権に関するこれまであった相談やお悩みから学ぶことで人生がハッピーになる方法

借地権の「共有名義トラブル」増えています。

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増えております、借地権の共有名義トラブル
「借地権を売りたいのですが兄弟でもめています。」
相談の連絡があったのはお母様を亡くされた長女の方でした。
お母様の遺産の主だったものは東京都内の借地権の建物だけでした。
相談に来られた方は3人兄弟の長女の方でした。
地代を払わないといけないこと、その建物には自分たちが住むわけではないことなどがあり相続時には他の兄弟は見向きもしませんでした。
その時は、とりあえずということで3人の共同名義に借地をしました。それでも管理は長女の方がされることになり、地代の支払や税金などは長女が払い続けておりました。

ただ、兄弟の方がどこからか借地権は売却できることを知ると態度が一変「自分たちにも相続権がある。」「売却してお金に変えて皆で3分の1に分けよう。」と兄弟の方が言い始めたのです。
ここからよくある話ですが、お金になるとわかると仲の良かった兄弟もこれが争いのもとになり「自分もほしい」「自分にも権利がある」と主張しはじめるのです。

この場合もそうですが、想定している金額等ではなかなか売却できないのが借地権です。加えてこちらの地主さんからの売却条件についても厳しいものを提示されておりました。

そこで長女も兄弟たちの態度があまりにひどいのでついには、
「もうわかった、わたしは借地はいらないから兄弟二人にくれてあげる。そのかわり、今まで私が支払ってきた地代と税金についてはまとめて私に払って。残ったものは兄弟二人で好きにして!
それと地主さんとの交渉も金輪際私は関与しないから兄弟二人で交渉してね!」

こういったケースでは実態をしらない家族や身内の方が出てきて好き勝手に主張するケースは稀ではありません。
この場合も私どもが金額や条件等を詳しく説明し、遺産分割協議書を作成、長女の方へ単独名義にし売却まで行うことができました。

なるべく共有名義は避けること、いつまでも関係性が今までと同じように続くとは限らないこと。遺言などできれば生前に口頭ではなく、形にしておくことで将来の火種を起こさないようにしておくこと。これが、肝心です。