底地借地のおはなし

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行政からの依頼で建物を取り壊したら大変なことに

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行政からの依頼で建物を取り壊したら大変なことに


その借地人さんは、借地上に2つ建物を立てておりました。
そのうちの一方は古い建物で、誰も住んでおらず使用しておりませんでした。そのため行政から空き家対策の一環として、取り壊すよう指導を受けました。行政からの依頼ですから、借地人さんは言われた通りその建物を取り壊してしまいました。
建物の取り壊しには、地主の承諾が必要です。建物がなくなってしまうとそもそもの借地権が保全できなくなる可能性があるのですが、そのことを借地人さは知りませんでした。

しばらくして、地主さんより
「固定資産税と、都市計画税の書類が届き急に上がった。確認したら、借地人が建物を取り壊してしまった。建物がなくなったので借地権は消滅したのでは?」と相談に来られました。

 

住宅が建っている土地の場合、土地にかかる固定資産税・都市計画税が軽減されるという特例があります。建物の取り壊し後はこの特例が受けられなくなるため、正確には「固定資産税都市計画税が高くなる」というよりも、「特例が受けられなくなることで固定資産税都市計画税が通常の金額に戻る」と言う表現の方が適切です。

 

地主さんも借地人さんの事情を知り、なるべくであれば穏便に進めたいとのことでしたので、地主さんに等価交換を提案しました。
地主さんはその借地人に続いている2つの土地を借地権として貸していたので、借地人さんが取り壊してしまった建物の借地権と、借地権の上に立っている建物の部分の底地を交換するというものです。それぞれ等価交換することでお互い所有権として土地を取得することになります。
借地人さんも土地が所有権になるのならと喜んでいますと地主さんにお話しし、無事等価交換の手続きを完了することができました。

 

1月1日(時点)の状態で決まる 

 

決定要因は1月1日(時点)の状態
軽減措置が適応されるかどうかは、1月1日時点(賦課期日)に建物が滅失されているかどうかで決まります。今回のケースは取り壊ししないほうが良かったですが、もし取り壊しを検討されている場合は、取り壊しの時期を上手く調整することによって節税をすることは可能です。