底地借地のおはなし

底地借地権に関するこれまであった相談やお悩みから学ぶことで人生がハッピーになる方法

認知症になった方の借地権の売却方法

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認知症になった方の借地権の売却方法

最近増えているのが、認知症になった方の借地権の売却の相談です。
「親の借地権を売りたいと考えているが、認知症なので売却ができなくて困っている。」
そう相談されるケースが多くあります。
この場合手続きを踏むことで売却は可能です。
すでに介護施設にはいってしまている90を超えたお母様が借地権を所有されており、自宅は既に使用されていないので売却したいという相談でした。
相談にこられたのは息子さんでした。
この場合、成年後見制度の開始の審判を受けてからの手続き、売却となります。
息子さんに成年後見人になって頂き、地主への承諾もえることができました。

 

裁判所の許可


特に注意するのは、居住用財産の売却の場合、裁判所の許可が重要になってきます。
手順として、成年後見人である息子様より、裁判所に「居住用の不動産処分の許可申し立て」を行っていただき裁判所より許可を取れると売却ができるようになります。
ここで、問題なのは借地権の場合、一般的に相続評価額以上での売却は難しいため、あまり低い金額であると、裁判所が売却を認めない場合があります。
被成年後見人であるお母様の不利になるような(この場合不当に安く売るといったこと)事が行われないかを慎重に判断するため、裁判所は財産処分についても公平性があったのかを確認します。
裁判所の許可がおりるのにはかなりの時間も要し、かつ書類などもかなりの量を提出求められます。このお母様のケースでは相談から借地権売却まで3年ほど経ることになりましたが、無事売却することができました。

 

早めの準備を


最近 高齢化で長生きされる方が増えて良いことですが、私の祖母も認知症があるため自宅や建物などの資産について手続きする場合にはいろいろと手続きと時間がかかりました。皆様もこのようなケースの場合には十分時間の余裕をもって取り組まれるとよろしいかとお見ます。